出版物
スラブ・ユーラシア叢書- 1. 国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
- 2. 創像都市ペテルブルグ:歴史、科学、文化
- 3. 石油・ガスとロシア経済
- 4. 近代東北アジアの誕生―跨境史への試み
- 5. 多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
- 6. 日本の中央アジア外交-試される地域戦略
- 7. ペルシア語が結んだ世界-もうひとつのユーラシア史
- 8. 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
- 9. ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較
- 10. 日露戦争とサハリン島
- 11. 環オホーツク海地域の環境と経済
- 12. 北西ユーラシアの歴史空間
- 13.紅い戦争のメモリースケープ
―旧ソ連・東欧・中国・ベトナム - 14. 北極の人間と社会
――持続的発展の可能性 - 15. 北東アジアの地政治
―米中日ロのパワーゲームを超えて - 16. 日本帝国の膨張と縮小
―シベリア出兵とサハリン・樺太
[スラブ・ユーラシア叢書 13]
紅い戦争のメモリースケープ
――旧ソ連・東欧・中国・ベトナム
「スラブ・ユーラシア叢書」第13巻の刊行 編著:越野 剛・高山陽子 2019年5月 北海道大学出版会 (出版社のページへ) ISBN 978-4-8329-6845-5 定価 3200円 + 税 |
目 次
序 論 | 紅い戦争のメモリースケープ―ソ連・東欧・中国・ベトナム | 高山陽子 | 1 |
1.紅いノスタルジア | 1 | ||
2.紅い戦争と社会主義リアリズム | 4 | ||
3.紅い戦争から見えるもの―抑圧された記憶と周縁化された身体 | 10 | ||
4.紅い戦争の記憶の行方 | 13 | ||
5.本書の構成 | 16 | ||
第Ⅰ部 | 抑圧された記憶と周縁化された身体― | ||
第1章 |
ロシア・ベラルーシの戦争映画における敵のイメージ |
越野 剛 | 23 |
はじめに | 23 | ||
1.3つの物語 | 25 | ||
2.外なる敵―ドイツ兵のイメージの変遷 | 29 | ||
3.内なる敵と英雄の脱神話化―コラボレーターとパルチザン | 35 | ||
おわりに | 41 | ||
第2章 | 封印された戦争の記憶―ベトナムにおける中越戦争の記憶 | 今井昭夫 | 45 |
はじめに | 45 | ||
1.食い違う中越戦争像 | 47 | ||
2.プロパガンダ合戦から語られぬ戦争へ | 49 | ||
3.状況の変化―南シナ海情勢の緊迫化 | 54 | ||
4.小説『わたしと彼ら』における中越戦争 | 57 | ||
おわりに | 62 | ||
第3章 | ソヴィエト・ロシアのプロパガンダにおける女性図像と象徴性 ―社会主義国家の建設から総力戦体制へ |
前田しほ | 67 |
|
はじめに | 67 | |
1.プロパガンダポスターのジェンダー秩序 | 70 | ||
2.家族の再定義と女性像の象徴性 | 73 | ||
3.総力戦体制とプロパガンダ | 79 | ||
おわりに | 89 | ||
第4章 |
「救国の妓女」を描く中国映画 ―社会主義文化における女性の身体と国家の想像 |
田村容子 | 95 |
はじめに | 95 | ||
1.日中戦争期における「救国の妓女」 | 97 | ||
2.対抗的な表象 | 100 | ||
3.「救国の妓女」の空白期 | 104 | ||
4.『南京!南京!』と『金陵十三釵』に見る「救国の妓女」 | 110 | ||
おわりに | 116 | ||
第Ⅱ部 | 紅い戦争の記憶の行方― | ||
第5章 |
紅い刑事ドラマとチェコスロヴァキアの社会主義 ―テレビによる同時代史の構築 |
福田宏― | 125 |
はじめに | 125 | ||
1.「正常化」時代におけるテレビドラマの重要性 | 126 | ||
2.1950年代の描き方―宿敵ブラーハ中尉との戦い | 131 | ||
3.1960年代の描き方―より高度な謀略と集団ヒステリー | 135 | ||
おわりに | 140 | ||
第6章 |
中国における紅い英雄 ―メモリースケープとしての烈士陵園の分析を通して |
高山陽子 | 145 |
はじめに | 145 | ||
1.武装蜂起と烈士の称号 | 147 | ||
2.烈士のイメージ | 150 | ||
3.社会主義文化における烈士 | 155 | ||
4.烈士の再定義 | 162 | ||
おわりに | 164 | ||
第7章 |
記憶の展示 ―パノラマ・ジオラマによるメモリースケープ |
向後恵里子 | 171 |
はじめに | 171 | ||
1.パノラマ・ジオラマによる記憶の展示と「見る」体験 | 172 | ||
2.パノラマ・ジオラマの展開と社会主義リアリズム | 176 | ||
|
3.戦争のリアリティ | 181 | |
4.傷つく人びとの表象 | 189 | ||
おわりに―記憶と歴史の往還,「再演」をめぐって | 197 | ||
第8章 |
記念碑の存在論 ―ポスト・ソヴィエト・ロシアのメモリースケープを望んで |
平松潤奈 | 201 |
1.動く記念碑 | 201 | ||
2.記憶レジームと記念碑 | 204 | ||
3.テロルと戦争―ポスト・ソヴィエト・ロシアの二つの記憶 | 209 | ||
4.社会主義リアリズム文化における記念碑の存在論 | 213 | ||
5.不死の連隊―ゾンビのポスト・ソヴィエト・ランドスケープ | 220 | ||
あとがき―メモリースケープをめぐる旅 | 229 | ||
事項索引 | 235 | ||
人名索引 | 239 | ||
執筆者紹介 | 240 |