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[スラブ・ユーラシア叢書 12]

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 北西ユーラシアの歴史空間
――前近代ロシアと周辺世界

 
「スラブ・ユーラシア叢書」第12巻の刊行


編著:小澤 実・長縄 宣博
2016年3月
北海道大学出版会 (出版社のページへ)
ISBN 978-4-8329-6821-9
定価 3600円 + 税

目   次


まえがき    
序章 北西ユーラシア歴史空間の射程 小澤 実  1
  北西ユーラシア歴史空間とは   1
  越境研究と境域の史料   7
  本書の構成   9
第一部 異文化集団との接触(九世紀から一四世紀)
第一章 《総論》 統一国家成立までのロシア 宮野 裕  19
国家形成前夜の東スラヴ地域   20
キエフ・ルーシの成立と発展における開放性   24
キエフ・ルーシの解体と近隣諸国   27
モンゴル支配下のルーシ   30
モスクワの台頭   33
読書案内 36
第二章 アラビア語史料に記録された北西ユーラシア世界 家島彦一  41
――とくにイブン・ファドラーン『報告書』による――  
北西ユーラシア世界のダイナミズム   41
北西ユーラシア世界に関するアラビア語史料   44
イブン・ファドラーン『報告書』に記録された北西ユーラシア世界 51
『報告書』研究の可能性   67
第三章 キエフ・ルーシ形成期の北西ユーラシア世界とスカンディナヴィア 小澤 実  75
――ルーン石碑の検討を中心に――  

ヴァイキング世界の拡大とキエフ・ルーシ 75
ルーシのエスニシティ生成をめぐる視座 77
ルーン石碑と「東方」 83
スカンディナヴィア人にとっての北西ユーラシア 88
北西ユーラシア境域論の可能性 92
第四章 ロシア ― ビザンツ緩衝地帯の蛮族観について 草生久嗣  105
――二世紀ビザンツ史書におけるペチェネーグを題材に――  
ビザンツの歴史叙述 105
ビザンツ帝国のロシア観 106
ペチェネーグとビザンツ帝国 108
ペチェネーグの消滅 113
歴史家アンナ・コムネナのペチェネーグ問題 118
ペチェネーグ後の北西ユーラシア 123
第五章 コンスタンティノープルのストゥディオス修道院とルーシの修道士 橋川裕之  133
――正教文化の伝播について――  
ベロオゼロから 133
ペチェルスキーとストゥディオス 140
一四世紀のルーシとストゥディオス 151
二つの民族と一つの世界 159
第二部 チンギス裔とオスマン朝からの視線(一五世紀から一七世紀)  
第六章 《総論》 「ロシア帝国」への道のり 濱本真実  175
草原の支配者としてのロシア 176
「キエフの遺産」の回復、あるいは征服 180
全正教徒の守護者としてのツァーリ――オスマン帝国との対立へ 185
読書案内 189
第七章 一五世紀ジョチ朝とモスクワの相互認識 川口琢司・長峰博之  195
――ロシア語訳テュルク語文書を中心に――  
四通のロシア語訳テュルク語文書 195
第一文書 エディゲイからヴァシーリー・ドミートリエヴィチ大公への書簡  196
第二文書 アフマトからイヴァン・ヴァシーリエヴィチ大公への勅許状または書簡   
第三文書 ムルトザからイヴァン・ヴァシーリエヴィチ大公への勅許状または書簡   
第四文書 ムルトザからヌルドヴラトへの書簡  
202

一五世紀ジョチ朝とモスクワの相互認識 210
第八章 ペルシア語・チャガタイ語諸史料に見えるモンゴル王統系譜とロシア 赤坂恒明  233
中世ロシアとの関係が深いモンゴル諸王統 233
ジョチ裔に関するペルシア語・チャガタイ=テュルク語系譜史料 235
『ムイッズル=アンサーブ』のジョチ裔系譜情報より 238
『勝利の書なる選ばれたる諸史』(『TGNN』)\/のジョチ裔系譜情報より 241
ロシア系譜書におけるタタール系譜 246
「ハン国」という通説的概念の相対化 252
第九章 オスマン朝におけるヨーロッパ認識の伝統と革新 小笠原弘幸  261
――七世紀中葉以前の北西ユーラシア観を中心に――  
オスマン朝と北西ユーラシア 261
北西ユーラシア地域に関する用語 263
古典的ムスリム地理学の継承と総合一六世紀後半における北西ユーラシア認識 264
古典的見解の克服と新しい知見一七世紀半ばにおける北西ユーラシア認識の展開 273
北西ユーラシア認識の転換 283
終 章 ロシア近現代史の視点から 長縄宣博  291
問題発見の場としてのユーラシア 291
その後の北西ユーラシア――ヴォルガ・ウラル地域と右岸ウクライナ 293
ロシア帝国とオスマン帝国 300
ウクライナ危機によせて 307
人名索引 7
事項索引 1

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