出版物
スラブ・ユーラシア叢書- 1. 国境・誰がこの線を引いたのか-日本とユーラシア
- 2. 創像都市ペテルブルグ:歴史、科学、文化
- 3. 石油・ガスとロシア経済
- 4. 近代東北アジアの誕生―跨境史への試み
- 5. 多様性と可能性のコーカサス-民族紛争を超えて
- 6. 日本の中央アジア外交-試される地域戦略
- 7. ペルシア語が結んだ世界-もうひとつのユーラシア史
- 8. 日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
- 9. ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較
- 10. 日露戦争とサハリン島
- 11. 環オホーツク海地域の環境と経済
- 12. 北西ユーラシアの歴史空間
- 13. 紅い戦争のメモリースケープ
- 14. 北極の人間と社会
――持続的発展の可能性 - 15. 北東アジアの地政治
―米中日ロのパワーゲームを超えて - 16. 日本帝国の膨張と縮小
―シベリア出兵とサハリン・樺太
[スラブ・ユーラシア叢書 11]
環オホーツク海地域の環境と経済
「スラブ・ユーラシア叢書」第11巻の刊行このたび「スラブ・ユーラシア叢書」シリーズの第11巻として,北海道大学出版会から田畑伸一郎・江淵直人編『環オホーツク海地域の環境と経済』が刊行されました。本書は,オホーツク海の環境を守ることが環オホーツク海地域だけでなく,太平洋をはじめとする地球規模での環境保全にとっても重要であるというメカニズムを解説するものです。そして,オホーツク海の環境保全のためには,アムール川流域を含む周辺地域全体の環境保全に向けた取り組みが必要であることを説いています。また,環オホーツク海地域における社会・経済活動の現状を描き出し,その活動の持続的発展の問題を考察しています。 本書は,北海道大学の低温科学研究所(研究代表者:江淵直人)とスラブ研究センター(研究代表者:田畑伸一郎),北見工業大学未利用エネルギー研究センター(研究代表者:庄子仁)が2007年度から行ってきた学際的共同研究「環オホーツク環境研究ネットワークの構築」の成果の1つとして刊行されるものです。このプロジェクトでは,オホーツク海に関わる自然科学的な研究とロシア極東に関わる社会科学的な研究が,ロシアや中国などの研究者との国際的な連携のもとに進められてきました。オホーツク海を取り囲む地域についてこのような学際的,国際的なプロジェクトが行われたのはおそらく初めてのことであり,本書は,文理の研究者の連携によって,その成果をまとめたものです。 内容は以下のとおりです。 編著:田畑伸一郎・江淵直人 2012年3月 北海道大学出版会 (出版社のページへ) ISBN 978-4-8329-6770-0 定価3150円 |
目 次
序章 | 田畑伸一郎・江淵直人 | 1 | |
第1部 | オホーツク海のエコシステム | ||
第1章 | 大島慶一郎 | オホーツク海の海洋循環・海氷生成と温暖化の影響 | 13 |
第2章 | 西岡 純 | 環オホーツク海域の豊かな生態系を生み出す鉄供給システム | 39 |
第3章 | 三寺史夫・中村知裕 | 数値モデルを用いた環オホーツク地域の環境研究-将来予測へ向けて- | 97 |
第4章 | 庄子 仁・南 尚嗣・ 八久保晶弘 |
オホーツク海のメタンシープとメタンハイドレート | 89 |
第5章 | 白岩孝行 | オホーツク海の命運を握るアムール川 | 117 |
第2部 | 環オホーツク海地域の資源開発と経済 | ||
第6章 | 田畑伸一郎 | 環オホーツク海地域の経済発展 | 141 |
第7章 | 本村眞澄 | ロシア極東・東シベリアにおけるエネルギー開発 | 167 |
第8章 | 西内修一 | オホーツク海の水産資源と漁業 | 195 |
第9章 | 封 安全 | 環オホーツク海地域における木材の生産と貿易 | 221 |
第10章 | 田畑朋子 | ロシア極東の人口減少問題 | 245 |
終章 | 白岩孝行・庄子 仁 | 269 | |
索引 | 275 | ||
執筆者紹介 | 279 |