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第6班 文化:研究概要
地域大国の文化的求心力と遠心力
ロシア、中国、インドというユーラシアの地域大国は、西欧的な国民国家論や民主主義の尺度だけでは説明不能な社会文化や精神文化を備えている。本研究はユーラシア文化研究者の連携により、これらの国々において過去の文明圏的なアイデンティティが現代世界の文化環境とどのように関係しているか、これらの国を含むユーラシア世界は文化空間としていかなる特徴を持っているかという問題を、比較文化論の手法で解明する。分析の切り口は以下の通り。
- 「文化統合のイデオロギー」:ユーラシア主義、華夷秩序思想、ヒンドゥー・ナショナリズムなどの思想の成り立ちと、その宗教的・文化的背景・特徴を比較分析する。
- 「言語とコミュニケーションの動態」:各文化圏の中の言語分布、多言語状況と包括的な文化空間との関連、翻訳などの問題を通じてこの地域のコミュニケーション状況を分析する。
- 「文芸と文化的アイデンティティ」:プレモダン、モダン、ポストモダンの関係、古典の現代的意味、身内と他者の表象などの問題を通じて文化的アイデンティティの問題を分析する。