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Name
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NAGANAWA Norihiro |
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氏名
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長縄 宣博 |
所属
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スラブ研究センター |
職名
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准教授
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学位
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修士(学術)
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現在の専門
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中央ユーラシア近代史、ロシア帝国のムスリム政策
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研究内容
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私の博士論文は、ロシア帝国内で最も安定した宗教間
関係が成立していたヴォルガ・ウラル地域のムスリム社会を扱った。その際、①帝国の法とムスリム共同体の形成、②地方自治体、③戦時体制を三本柱に、この
地域のムスリムが、国家の諸制度といかに巧みに交渉していたのか、また、そうした交渉がどのような困難を内包していたのかを描出した。
今後、私の研究は、二つの方向を取ることになる。第一に、ロシア帝国のムスリム政策の要であったウファ、シンフェロポリ、チフリス(現トビリシ)の宗務
局を比較研究することである。周知のように、過去十年間のロシア帝国論は、国民国家やナショナリズムを相対化する方法を彫琢してきた。しかし最近では、一
国完結型のロシア帝国論自体が、周辺の諸帝国との比較研究や相関研究によって相対化されつつある。今後、私は、博士論文で得た知見を軸に、未だ十分に解明
されていないクリミア半島とザカフカスにおける国家とムスリム社会との関係を、オスマン帝国とカージャール朝イランとの外交も織り込みながら研究する予定
である。
研究の第二の方向としては、博士論文で扱ったヴォルガ・ウラル地域について、ソ連時代から現代までを通時的に捉えながら、現代の「イスラーム復興」が持
つ意味を人類学的に考察することを目指す。これは、留学中(2001-2003年)に築いた人脈を今後も生かし続けたいからでもある。
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研究・教育歴
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- 1999年4月-2001年3月 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程
- 2001年4月-2006年3月 同上博士課程
- 2005年4月-2007年3月 日本学術振興会特別研究員
- 2007年博士号(学術)取得
- 2007年4月 現職
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研究業績
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- 博士論文「帝政ロシアのムスリム社会と国家:ヴォルガ・ウラル地域 1905-1917」(東京大学大
学院総合文化研究科、2007年1月提出)。
“Maktab or School? Introduction of Universal Primary Education among
the Volga-Ural Muslims,” in T. Uyama, ed., Empire, Islam and Politics
in Central Eurasia (Sapporo, 2007), pp.65-97
- “Islam and Empire Observed: Muslims in the
Volga-Ural Region after the
1905 Revolution,” in K. Matsuzato, ed., Imperiology: From Empirical
Knowledge to Discussing the Russian Empire (Sapporo, 2007),
pp.68-84.
- “Molding the Muslim Community through the
Tsarist Administration: Mahalla
under the Jurisdiction of Orenburg Mohammedan Spiritual
Assembly after 1905,” Acta Slavica
Iaponica, no.23, 2006, pp.101-123.
- 「ヴォルガ・ウラル地域の新しいタタール知識人:第一次ロシア革命後の民族に関する言説を中心に」『ス
ラヴ研究』第50号、2003年、33-59頁。
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他 -受賞歴、国際会議発表、等-
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- “Political Reliability: The Kazan Provincial
Governorship and the
Control of the Muslim Clergies (1905-1917)” 国際中東欧研究学会(ICCEES) 第7回世界大会,
Berlin, Germany (July 28th 2005).
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