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Name
KURYUZAWA Takeo
KURYUZAWA
氏名
栗生沢 猛夫
所属
文学研究科歴史地域文化論専攻
職名
教授
学位
社会学修士
現在の専門
ロシア中世・近世史

研究内容 研究・教育歴 研究業績

研究内容

筆者は、従来の我が国におけるロシア史研究が過度に近現代史に集中しすぎているという判断の上に立って、これ まではもっぱら前近代ロシアに関わる研究に従 事してきた。とりわけ専門的に検討したのは、第一にモスクワ国家(大公国)の強大化とそれを支えた宗教思想的・イデオロギー的基盤の研究である。ヨシフ・ ヴォロツキーの政治思想やモスクワ・第三ローマ理念に関する研究がその成果である。従来は、ときにモスクワ国家の台頭の政治・経済的側面にふれられること があったとしても、その宗教的・イデオロギー的基盤にまで立ち入って論じた研究は皆無であった。第二は、ロシアをヨーロッパ全体の中で論じることの必要性 を認識したことから、ロシア中世都市の特質を、とりわけヨーロッパ諸国の中世都市との比較で考察したことである。従来は、たとえばオットー・ブルンナーの ように、ロシアをヨーロッパとは異質な存在とみる立場が強かったのであるが、筆者はそうした静態的な見方には再考の余地があるものと考えている。第三に、 ロシアとアジア、あるいはロシアのユーラシア性に関する研究である。これは一つには「ユーラシア主義」そのものの研究と、他方ではロシア史におけるモンゴ ル(キプチャク・カン国)支配(いわゆる「タタールのくびき」)のもつ意味に関する研究に分けられる。最近数年間において集中的に取り組んでいるのはこの 最後に挙げた課題である。さらに数年の作業を経てこれをひとつの形にまとめたいと考えている。


研究・教育歴

  • 昭和46年4月-昭和49年3月 北海道大学大学院文学研究科博士課程

  • 昭和49年4月-昭和49年9月 日本学術振興会奨励研究員

  • 昭和49年10月-昭和51年9月 ベルリン自由大学東欧研究所留学(DAAD奨学生)

  • 昭和51年10月-昭和62年3月 小樽商科大学助教授(一般教育・歴史学担当)

  • 昭和55年10月-昭和56年7月 ソ連科学アカデミーソ連史研究所留学(特定国派遣)

  • 昭和56年8月-昭和57年3月 ポーランド、ワルシャワ大学歴史学部研修

  • 昭和62年4月-平成6年3月 北海道大学文学部助教授(西洋史学講座)

  • 平成6年4月-現在     北海道大学文学部教授

  • 平成元年         北海道教育大学旭川校非常勤講師

  • 平成4年4月-現在     札幌大学外国語学部非常勤講師

  • 平成13年         九州大学文学部非常勤講師 



研究業績
著書編著
  1. 坂内徳明・栗生沢猛夫・長縄光男・安井亮平『ロシア 聖とカオス』、彩流社、1995

  2. 『世界歴史大系 ロシア史 1』田中陽児他編、山川出版社、1995(分担執筆、栗生沢  猛夫分、第三、第四、第五章、131-277頁)

  3. 栗生沢猛夫『ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー』、山川出版社、1997

  4. 井上浩一・栗生沢猛夫『ビザンツとスラヴ』、中央公論社、1998

  5. 『ロシア史(新版世界各国史22)』(和田春樹編)、山川出版社、2002年(分担執筆、栗生沢猛夫 分、第二章、第三章、第四章第一節、64-139頁)


論文
  1. ヨシフ・ヴォロツキーの政治理論(1)、(2)」、『スラヴ研究』16号、91-124頁 (1972), 17号, 203-239 頁(1973)

  2. 「モスクワ第三ローマ理念考」、金子幸彦編『ロシアの思想と文学』、恒文社、1977, 9-61頁

  3. 「ゴスチ考」、『スラヴ研究』31号, 1-25頁(1985)

  4. 「ツァリーズム成立期における国家権力と都市民」、『ロシア史研究』41号, 2-21頁(1985)

  5. 'The Debate on the Genesis of Russian Feudalism in recent SovietHistoriography , T.Ito(ed.), Facing Up to the Past. Soviet Historiography under Perestroika, Sapporo, 1989 , pp.111-147

  6. 「『ル−シの洗礼』と最近のソヴィエト史学」、『ロシア史研究』48号, 5-53頁 (1989)

  7. Kazan after 1552--The Rebellion of 1552-1557 ("Kazan War")and theMuscovite State, Urbanism in Isalam, The Proceedings of the International Conference on Urbanism in Islam (ICUIT), Oct. 22-28,1989, Supplement, Tokyo, 1989, pp. 1-49

  8. 「モスクワ国家のカザン支配ーモスクワ国家によるカザン統合の初期段階」、『北海道大学文学部紀要』、 41-2, 79-139頁(1992)

  9. 「モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について」、和田春樹他『スラブの歴史』、弘文 堂、1995, 3-31頁

  10. 「『千人書』についてーイヴァン雷帝の1550年10月の改革案をめぐってー」、『スラヴ研究』43 号、1-31頁(1996)

  11. 「ロシア史におけるモンゴル支配の意味について」、『ロシア史研究』58号、4-15頁(1996)

  12. 「ある歴史家の軌跡ーA・A・ジミーンとソヴェト中世史学」、『西洋史論集』4号、82-111頁 (2001)

  13. 「中世『ロシア人』の『民族意識』ーー「ルーシ」にみられる東スラヴ人の自己認識の問題」、大貫隆編 『歴史と空間』(『歴史を問う 3』)、岩波書店、2002年、153-190頁、249-253頁

  14. 「ルーシとモンゴルーモンゴルによるルーシ支配の始まりー」『西洋史論集』5号、1-26頁 (2002)

  15. 「キプチャク・カン国のルーシ支配の構造」『前近代ロシアの都市と地方における社会的結合の諸形態に関 する研究』(平成13年度科学研究費・基盤研究(一)B)成果報告書・研究代表者・豊川浩一)、1-21頁(2002)



他 -受賞歴、国際会議発表、等-

  • 第6回木村彰一賞 『ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー』に対して



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