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Name
HAYASHI Tadayuki
HAYASHI
氏名
林 忠行
所属
スラブ研究センター
職名
教授
学位
法学修士
現在の専門
東欧政治・東欧国際関係

研究内容 研究・教育歴 研究業績

研究内容

これまでの私の研究は1)チェコスロヴァキアという「小国」の政治・外交史研究と、2)やはりチェコスロヴァ キア(1993年以降はチェコとスロヴァキア)を中心とする東欧地域での共産党体制崩壊後の体制変動をグローバル・レベル-地域国際関係レベル-国内中央 政治-地方政治という多層間の相互連関を意識しながら分析するという作業を続けている。

1)に関しては、大部分がスラブ研究センターに赴任する以前の仕事に属し、その研究成果の最も重要な部分は、 中公新書の『中欧の分裂と統合-マサリクとチェコスロヴァキア建国』で一般の読者にも提供した。この仕事は、チェコスロヴァキアという「小国」もしくは チェコ人、スロヴァキア人という小さな「国民」の認識と行動をとおして欧州史と世界史を見る作業といえる。そこから、「列強」を中心に書かれてきたそれま での歴史とは異なる歴史を描くことができたと考えている。なお、この一連の研究の派生物として、第一次世界大戦末期のシベリアにおける「チェコスロヴァキ ア軍団」の反乱と日米によるシベリア出兵とのかかわりについてもいくつかの研究を発表しているが、そのうちとくに同軍団と日本軍との関係に関する歴史研究 は現在も継続している。この部分は、チェコ人研究者からもユニークな研究として評価されている。

2)については、チェコの政党政治の再編を現地で収集した政党綱領、政党指導者とのインタビューなどに依拠し て継続的に分析する作業を続けている。とくに、その過程で収集したチェコとスロヴァキアの選挙にかかわる資料の系統的収集は他に類を見ないものと自負して いる。またあわせて議会議事録と法令の詳細な検討による農地所有の転換過程、および地方自治制度の転換過程を具体的な政策形成過程として分析した。単に、 新しい制度の解説を目的とする研究は少なくないが、現地資料に依拠してその政策形成過程にまで踏み込んだ研究は他になく、現地研究者の研究にも先行する内 容といえる。現在は、スロヴァキアに分析の重心を置きつつ、また他の東欧諸国との比較も視野に入れた分析枠組みを検討している。


研究・教育歴

  • 昭和50年 3月 東京都立大学法学部法律学科卒業

  • 昭和50年 4月 一橋大学大学院法学研究科修士課程入学

  • 昭和50年 3月 同上修了

  • 昭和52年 4月 一橋大学大学院法学研究科博士課程後期進学

  • 昭和53年11月 チェコスロヴァキア・カレル大学哲学部歴史学科留学(昭和55年11月まで)

  • 昭和57年 3月 一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学

  • 昭和57年 4月 一橋大学法学部助手(昭和59年3月まで)

  • 昭和60年 4月 広島大学法学部助教授

  • 平成 3年 8月 広島大学法学部教授

  • 平成 6年 4月 北海道大学スラブ研究センター教授(現在に至る)

  • 平成 8年 4月 北海道大学スラブ研究センター長(平成10年3月まで)



研究業績
<著書・編著>
  • 伊東孝之・林忠行編『ポスト冷戦時代のロシア外交』(有信堂,1999)251p.

  • 柴宜弘・中井和夫・林忠行著『連邦解体の比較研究-ソ連・ユーゴ・チェコ-』(多賀出 版,1998),260p.

  • HAYASHI Tadayuki, G. Jukes, eds., Building Nation, State and Regime: Some Post-Communist Examples (Slavic Research Center, 1997)131p.

  • HAYASHI Tadayuki, ed., The Emerging New Regional Order in Central and Eastern Europe (Slavic Research Center, 1997) 374p.

  • 林忠行著『東欧の歴史と民族問題』[平和図書No.11](広島平和文化センター, 1995)125p.

  • 伊東孝之・木村汎・林忠行編『講座スラブの世界⑦ スラブの国際関係』(弘文堂, 1995)358p.

  • 林忠行著『中欧の分裂と統合-マサリクとチェコスロヴァキア建国』[中公新書](中央公 論社,1993)229p.  


<論文>
  • 林忠行「チェコ共和国における地方自治改革と政党政治-1993-2000-」『スラブ研究』49 (2002.4):1-27.

  • 林忠行「ポスト共産党時代のチェコにおける政党システムと選挙制度改革」『社会学研究(東北社会学研究 会)』70(2002.2):1-24.

  • HAYASHI Tadayuki, ”Politics of the Agricultural Transformation in Czechoslovakia: 1990-1991,” in IEDA Osamu, ed., The New Structure of the Rural Economy of Post-Communist Countries (Slavic Research Center, 2001):25-42.

  • 林忠行 「チェコスロヴァキアにおける農業の転換-土地法と協同組合転換法の立法過程をめぐって」家田修編『東欧ロシア地域における農村経済構造の変容』[北海道 大学スラブ研究センター報告シリーズNo.79](北海道大学スラブ研究センター、2001.4):99-127.

  • 林忠行「チェコにおける政党政治の現況」『ロシア研究』28(1999)95-110.

  • 林忠行「スロヴァキア外交とロシア」,伊東孝之・林忠行編『ポスト冷戦時代のロシア外交』(有信堂, 1999.2)191-231.

  • 林忠行「東中欧諸国における左派政党の位置」『ロシア・東欧学会年報』25(97)20-30.


  • 林忠行「プラハの春 一九四八年革命と一九八九年革命の狭間で」歴史学研究会編『講座世界史10 第三 世界の挑戦 独立後の苦悩』(東京大学出版会,1996年4月),229-243.

  • 林忠行 「東欧国際関係の特質とその変容-両大戦間期を中心として-」,伊東孝之・木村汎・林忠行編『講座スラブの世界⑦ スラブの国際関係』(弘文堂、 1995):29-55.

  • HAYASHI Tadayuki, "T.G.Masaryk, ceskoslovenske legie a Japonsko,[T・G・マサリク、チェコスロヴァキア軍団,日本]," Prvni svetova valka, moderni demokracie a T.G.Masaryka[第一次世界大戦、近代民主主義、T・G・マサリク],(Praha,1995):89- 95.

  • HAYASHI Tadayuki," Central and East European Cooperation after the Dissolution of the Czecho- slovak Federation," Takayuki Ito, Shinichro Tabata, eds., Between Disintegration and Reintegration, Former Socialist Countries and the World since 1989,(Slavic Research Center,1994):421-433.

  • 林忠行「チェコスロヴァキアの戦後改革」 油井大三郎、中村政則、豊下楢彦編『占領改革の国際比較-日本・アジア・ヨーロッパ』(三省堂,1994):229-243.





他 -受賞歴、国際会議発表、等-
<国際会議発表>
  • "Politics of the Agricultural Transformation in Czechoslovakia: 1990-1991,”スラブ研究センター主催国際ワークショップ"The New Structure of the Rural Economy of Post-Communist Countries"(ロムニツェ・ナド・ルジニツィ,チェコ,2000年10月26-30)での報告

  • "Political Elites of Central Europe and Japan in the 1990s: Change and Continuity in Parliaments and Cabinets,"カレル大学東アジア研究所主催国際会議"A New Dialogue Between Central Europe and Japan: A Tension Between Continuity and Change"(プラハ,チェコ,2000年7月26-27日)での報告

  • "T.G.Masaryk, ceskoslovenske legie a Japonsko,[T・G・マサリク、チェコスロヴァキア軍団,日本],"チェコ科学アカデミー・マサリク研究所主催国際学術会議「第一次世界大戦、近 代民主主義、T・G・マサリク」(リブリツェ,チェコ,1994年9月22-24)でのチェコ語報告


<国際会議組織運営>
  • スラブ研究センター夏期国際シンポジウム"Construction and Deconstruction of National Histories in Slavic Eurasia,"(札幌,2002年7月10-13日)の組織運営

  • ○日本国際政治学会・米国国際研究学会合同大会"Globalism, Regionalism and Nationalism: Asia in Search of its Role in the 21th Century,"(幕張,1996年9月20-22日)でのパネル"Building Nation, State and Regime: A Comparison across the Eurasian Continent,"の組織と司会

  • スラブ研究センター夏期国際シンポジウム"The Emerging New Regional Order in Central and Eastern, "(札幌,1996年7月24-27日)の組織運営



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