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「地域研究と中域圏」フォーラム
- ●第1回研究会(2003年11月26日)の記録
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パネル・ディスカッション:「中域圏」概念をめぐって
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- 主報告:「中域圏meso-
area」概念をめぐって(佐々木隆生)
- ディスカッションの概要:
この研究会では、まず佐々木隆生氏から主報告「『中域圏meso-area』概念をめぐって」があった。西欧における国家と市場、近代国際関係の形勢から
説き起こし、副次的国際システムとしての地域(中域圏を含む)のあり方を、ポスト冷戦時代に至る歴史的パースペクティヴの中で論じた(詳しくはペーパー参
照)。
次に家田修氏から、佐々木報告の中で言及された「国家の溶解」という見方を受けて、国家を抜きにした国際関係は展望できるのか、世界全体が市民社会にな
るなら地域研究は不要になるのか、など多様な問題提起がなされた。フロアを含めた議論では、世界とメガ・エリアとメゾ・エリア(中域圏)の関係、価値や理
念を共有する範囲として地域を見ることが妥当であるか否かという問題、地域区分の問題、ヨーロッパや東アジアの視点で展開されるグローバル化論とスラブ・
ユーラシアの現実の落差、国家という存在の重たさ、佐々木報告で言及されたアイデンティティ・ポリティクスの問題などが話し合われた。
最後に、松里公孝氏から2004年1月28〜31日にスラブ研究センターで開催予定のシンポジウム、“Emerging Meso-Areas in
the Former Socialist Countries: Histories Revived or Improvised?”
のプログラムの紹介があった。このシンポジウムでは、中域圏を共通テーマとしながら、スラブ・ユーラシアのさまざまな地域の政治・社会・歴史を論じる予定
である。 (文責 宇山智彦)
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