三 浦 清 美
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− 付 録 −
以下に、写本一覧においてあげたテキストの全文を提示する。本来ならば、参考文献を指定し、読者に参照を願うことに留めるべきであるが、あえて掲 載に踏み切った理由は次のごとくである。
これらのテキストが刊本のかたちで世に現われたのは、ガリコフスキーの資料集をのぞけば19世紀後半であり、ロシアのしかるべき図書館以外での閲 覧は絶望的である。ガリコフスキーの資料集は1913年刊行で比較的新しいが、最も稀覯なる刊本であって複写さえできなかった(マイクロフィッシュにする 許可は降りた)。後半部で展開する議論の公正を期すためには、これら入手困難なテキストを読者諸賢に提示することは執筆者の義務と考えられる。さらに、後 半部での立論や新たな論点の提示にはテキストの全体を見通す必要があり、テキスト自体も比較的短いことから、全文掲載する価値があると判断された。傍線や 点線を付すことにより、テキストが何如なる層に分離されるかが明快になったように思う。最も長いテキストは2)ノヴゴロド本テキストであるが、1)と3) の傍点・波線・実線の指示を重ね合わせ、注意深く検討すれば諸テキストの構成はわかるはずである。
上記の理由から、資料の提示と紹介を目的とする本稿前半部『資料篇』に掲載することにした。読者のご了解を願う次第である。
(1)パイーシイ本によるテキスト (ロシア語)
(2)ノヴゴロド本にテキスト (ロシア語)
(3)キリル・ベロゼルスキイ本によるテキスト (ロシア語)
(4)『コンスタンチノープル大主教金口イオアン講話』からの抜粋 (ロシア語)
(5)影響関係系統図