スラブ研究センターニュース 季刊 2004 年春号
No.97
井上紘一教授が、今年3月31日をもって定年退官されました。
井上先生は1994年に中部大学国際関係学部からセンターに転任され、
1998年から2000年まではセンター長も務められました。
1975年から83年まで文学部附属北方文化研究施設(当時)助手を務められた時期を含めますと、
計18年間北海道大学に勤務されたことになります。
先生はトナカイ飼育に関するフィールドワークを中心とするシベリア民族学研究をはじめ、
民族学史、ウラル学、エトノス論、アイヌ研究など、
多様なテーマにわたって研究を進めてこられました。
業績一覧を見ますとセンター着任後の業績がとりわけ多く、この10年間が、
先生にとって極めて多産な時期であったことが分かります。
また先生は初めての文化人類学分野の専任研究員として、
センターの共同研究に新しい境地を開かれました。
先生が中心となって招かれた多くの外国人研究者の滞在も、
センターのスタッフ一同にとって大切な思い出です。
先生のご退官を記念し、次の勤務地(関西外国語大学)での新たなご出発をお祝いするため、
講演会と送別会が3月19日に開かれました。
「ブロニスワフ・ピウスツキの足跡を尋ねて40年:就中、その極東滞在の究明」と題する講演では、
先生が特に愛着を持って研究を続けられてきたピウスツキに関する蘊蓄を、存分に語っていただきました。
先生のライフワークであるピウスツキ評伝の完成が心待ちにされるところです。
ピウスツキが作成した「樺太アイヌ統治規定草案」は、
ロシア帝国の少数民族統治に関する新たな共同研究の素材にもなりうるという印象を受けました。
アスペンホテルに場所を移し、原研究員の司会でおこなわれた送別会では、
ピウスツキ(および蝋管)研究、アイヌ研究、樺太アイヌ協会などさまざまな関係者が、
エピソードを交えながら先生の思い出を楽しく語られました。
50人を越える出席者は世代的にも幅広く、先生が年長の友人にも若手研究者にも、
愛され慕われる存在であることが改めて実感できました。
トレードマークのパイプとウイグル帽に象徴されるような、
先生の個性的な雰囲気に日常接することができなくなってしまうのは寂しい限りですが、
今後も札幌に随時戻られるとのことですので、引き続きご指導いただく機会が多いでしょう。
また定員削減のあおりで、先生の直接の後任を採用することは難しい状況ですが、
センターでは先生のご協力を得ながら、人類学分野の研究を続けていきたいと考えています。
■ 井上先生の連絡先:573−0195 枚方市穂谷1-10-1 関西外国語大学国際言語学部
センターは下記の方を21世紀COE特任研究員として迎えることになりました。2階に新設された「21世紀COE事務室」に常駐となります。
毛 利 公美 | 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了 |
(も
うり・くみ) |
研究テーマ:亡命ロシア文学・現代ロシア文学 |
応募者の中から慎重な審査をおこなった結果、次の5名の方々が本年度の21世紀COE非常勤研究員に採用されました。
井澗 裕 |
北海道大学大学院工学研究科博士後期課程修了 |
(いたに・ひろし) |
研究テーマ:近代サハリンの歴史と文化 |
大野 成樹 |
北海道大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 |
(おおの・しげき) |
研究テーマ:ロシアにおける金融諸問題 |
越野 剛 |
北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了 |
(こしの・ごう) |
研究テーマ:19世紀ロシア文学と病気のイメージ、ベラルーシ文学 |
後藤正憲 |
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了 |
(ごとう・まさのり) |
研究テーマ:現代ロシアにおける医療実践 |
藤森信吉 |
慶應義塾大学法学研究科政治学専攻博士課程修了 |
(ふじもり・しんきち) |
研究テーマ:現代ウクライナ研究、ウクライナ・ロシア |
センターでは今年度から3年間、次の方を学振特別研究員として受け入れます。受入担当教官は家田です。
中澤達哉 | 早稲田大 学大学院文学研究科博士後期課程修了 |
(なかざわ・たつや) |
研究テー マ:東欧近代史、スロヴァキア史 |
今年度の比較経済体制学会の全国大会は、6月4日(金)と5日(土)に大阪経済大学で開かれる。
今年度は、共通論題がとくに設定されていない。プログラムは以下の通り。
6月4日(金) | ||
自由論題 | ||
[1]丹羽由夏(東北大・院)「地方債市場の国際比較」 | ||
[2]平手賢治(名古屋学院大・院)「体制移行における政治資本」 | ||
第1分科会(数量経済研究会) | ||
[1]藤井大輔(神戸大・院)「インフラ投資と経済発展:改革開放期中国の事例」 | ||
[2]井上武(神戸大・院)「インフレターゲティング導入国における為替レートの定常性に関する考察」 | ||
総会記念講演 | ||
青木昌彦(スタンフォード大)「比較制度分析の方法論」 | ||
第2分科会(北東アジア経済圏の現在) | ||
[1]アンドレイ・ベロフ(福井県立大)「極東ロシアの制度環境と中ロ貿易の与える影響」 | ||
[2]今村弘子(富山大)「2002年の北朝鮮の『経済改善措置』と中国の改革開放政策の比較」 | ||
第3分科会(EUの東方拡大) | ||
[1]阿部望(東海大)「EU加盟拡大と南東欧:セルビア・モンテネグロとボスニア・ヘルツェゴビナのケース」 | ||
[2]キグリチュ・イシュトヴァーン(龍谷大) "EU Entry and the Meaning of East Europe" | ||
[3]マリウシュ・クラフチック(福岡大) "Looming Currency Crisis in Europe (Eastern Enlargement of the European Monetary Union)" | ||
6月5日(土) | ||
第4分科会(中国経済市場化の現段階) | ||
[1]葉剛(東北大・院)「中国の私有企業の発達について」 | ||
[2]厳善平(桃山 学院大)「中国のモデル人口移動スケジュール:2000年人口センサスの集計データを用いて」 | ||
第5分科会(インフォーマル・セクター) | ||
[1]山口真美(東 京大・院)「中国雇用・労働市場における非公式職業紹介の役割」 | ||
[2]石川健(島根 大)「ロシアのインフォーマル・セクターにおける雇用の統計的計測」 | ||
第6分科会(北朝鮮経済の現状) | ||
[1]鄭恩伊(東北 大・院)「北朝鮮経済改革と中国改革モデル」 | ||
[2]鄭光敏(名古 屋大・院)「北朝鮮の飢餓について」 | ||
[3]黒坂真(大阪 経済大)「北朝鮮における体制維持労働のミクロ的基礎」 | ||
第7分科会(中央アジア諸国の改革・開発・環境) | ||
[1]岩崎一郎(一 橋大)「改革:分極化する経済システム」 | ||
[2]輪島実樹(ロ シア東欧経済研究所)「開発:扉を開く天然資源」 | ||
[3]片山博文(桜 美林大)「環境:負の遺産と市場経済化のはざまで」 |
2004年 |
||
5月24日 |
第4回
「ロシアの中のアジア/アジアの中のロシア」研究会(記事参照) |
|
6月4-5日 |
比較経
済体制学会第44回全国大会 於:大阪経済大学(記事参照) |
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7月14-17日 |
スラブ
研究センター夏期国際シンポジウム |
|
9月23-25日 |
欧州比
較経済体制学会(EACES)第8回隔年大会。 テーマは「EU拡大:2004年以降に何が来るか?」於:ベオグラード |
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10月2-3日 |
日本ロ
シア文学会研究発表会・総会 於:稚内北星学園大学 |
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11月27日 |
比較経
済体制学会秋期研究報告会 於:中央大学 |
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12月4-7日 |
米国ス
ラブ研究促進学会(AAASS)年次大会 於:ボストン |
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12月8-11日 |
スラブ
研究センター冬期国際シンポジウム |
|
2005年 |
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7月7-9日 |
スラブ
研究センター夏期国際シンポジウム |
|
7月25-30日 |
ICCEES
(中東欧研究国際評議会)第7回世界会議 於:ベルリン 詳しい情報は:http://www.rusin.fi/iccees/ |
北大大学院文学研究科歴史地域文化学専攻スラブ社会文化論専修の今年度の新入生は、修士課程7名、博士課程4名でした。4月現在の在学生は以下の 諸君です。
大学院文学研究科歴史地域文化学専攻スラブ社会文化論講座在籍者(2004年
度) |
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氏名 |
学年 |
研究テーマ |
指導教員(正/副) |
天野尚樹 |
D3 |
北東アジア
国際関係史:日本・中国・ロシアの国境概念 |
原/岩下 |
倉田有佳 |
D3 |
在日亡命ロ
シア人 |
原/荒井 |
桑島裕子 |
D3 |
ザバイカル
と国際関係:1890年代〜1930年代 |
原/宇山 |
志田恭子 |
D3 |
ノヴォロシ
ア(ロシア帝国南ウクライナ)における少数民族と民族政策:クリム・ハン国、オスマン帝国からの入植者およびその残留民 |
松里/原 |
クリフツォフ、ドミトリ |
D3 |
日本・ロシ
ア・中国の三角関係と米国 |
岩下/村上 |
山本健三 |
D3 |
ロシア政治
思想史におけるドイツ人・ポーランド人 |
松里/望月 |
水谷剛 |
D2 |
テレキ・
パール研究 |
家田/林 |
秋山徹 |
D1 |
帝政ロシア
植民地時代の中央アジア |
宇山/原 |
須田将 |
D1 |
中央アジア
における「市民社会」とその「建設」 |
宇山/岩下 |
バトバヤル、オイドフ |
D1 |
モンゴルの
独立とロシア・モンゴル関係(1911年〜1921年) |
原/岩下 |
大武由紀子 |
D1 |
ソ連期プロ
パガンダ・ポスターについて |
望月/原 |
加藤美保子 |
M2 |
ロシアのア
ジア・太平洋政策における多国間安全保障 |
岩下/林 |
鈴木治郎 |
M2 |
ロシア経済
の成長過程の研究:産業と対外経済関係 |
田畑/村上 |
立花優 |
M2 |
カスピ海を
めぐる国際関係とアゼルバイジャンの政治 |
宇山/松里 |
濱口史彦 |
M2 |
ウイグル人
をめぐる中国とカザフスタンの民族政策の比較研究 |
宇山/岩下 |
平塚慈 |
M2 |
EUの東方
拡大とロマ問題 |
林/家田 |
麻田雅文 |
M2 |
ロシアによ
る満州経営:東清鉄道を中心に |
原/岩下 |
井上岳彦 |
M2 |
帝政ロシア
とカルムィク人 |
宇山/原 |
齋田えり |
M2 |
帝政末期の
ロシアにおける国内農業移民 |
原/山村 |
笹村久美子 |
M2 |
独立後ウク
ライナの国家建設:ロシアとの比較において |
松里/林 |
当銘祥子 |
M2 |
フルシチョ
フ期のソ連外交 |
岩下/林 |
三浦賢二 |
M2 |
ハンガリー
人をめぐる民族問題 |
家田/林 |
武藤玲子 |
M2 |
Political
transition from the view of elite change and ethnic conflicts |
松里/林 |
大坪春奈 |
M1 |
戦間期ルー
マニア外交と地域協力 |
林/家田 |
中村由香理 |
M1 |
中央アジ
ア、ムスリム宗務局と民衆イスラームの関係性 |
宇山/山村 |
封安全 |
M1 |
日・中・露
三国経済関係 |
田畑/荒井 |
藤原一也 |
M1 |
ソ連社会に
おける情報伝達 |
望月/荒井 |
松田剛将 |
M1 |
非承認国家
連合加盟国の比較研究 |
松里/宇山 |
宮澤謹次 |
M1 |
ミハイル・
バフチンのドストエフスキー研究 |
望月/宇山 |
ワシレフスカヤ、ビクトリヤ |
M1 |
ロシアにお
ける石油・ガス部門への外国投資 |
荒井/原 |
スラブ研究センター図書室は、ここ数年、資料収蔵スペースのやりくりに苦慮してきました。
センターがこれまでに収集した資料は今や16万点を超え、年々6,000から10,000点が新規に加わってきました。
この全体をセンター内で管理することは単に物理的な意味でも到底不可能であり、
図書や製本雑誌の大部分を附属図書館に管理換した上で、他の資料とは別置して利用者の便宜を図るというのが従来の方式でした。
しかし、1990年代後半から附属図書館書庫の狭隘化が深刻化したこと、および、これを契機として附属図書館側より、書庫スペースの占有根拠について強い
疑問が提示され、
書庫にセンターの収集した資料を排架する前提として、業務統合の実施をわれわれに迫ってきたのは2001年秋のことでした。
これを受けて翌2002年度に、附属図書館副館長を委員長とする「スラブ研究センター図書業務統合計画委員会」が発足し、
どのような方法で統合をおこなうか検討が開始され、約2年を経た2004年3月25日の第4回委員会において、図書業務統合の大要が「申し合わせ」および
「実施要領」の形にまとめられ、
了承されるに至りました。その後、この案件は4月13日のセンター協議員会において承認され、近日開催が予定されている附属図書館の図書館委員会で承認さ
れれば、いよいよ正式実施に向けて準備が整うこととなります。
今回の統合案の要点は、次のようにまとめられるでしょう。
9年前の赴任以来、附属図書館との関係には、心理的になかなか微妙なものがあることを感じてきたのですが、
今回の業務統合はそれを正常化し、将来的に双方が普通に付き合っていくためのステップとして必要なものと感じています。
早ければ6月にも予想される統合の実施に向けて、以上の統合の枠組みを前提とした業務の再編成を進めているところです。
スラブ研究センターはこのほど、2003年度に開始された21世紀COEプロジェクトの経費により、Primary Source
Media 社の販売する The Russo-Japanese War, 1904-1905 from the Military
Science Archive を購入しました。
これは、ロシア国家軍事文書館(
Российский государственний военно-исторический архив,
略称
РГВИА)の所蔵する日露戦争関係ファイル(
Фонд 846. опись 16.
)の文書を選択の上、マイクロフィルム全170巻に収めたものです。
日露戦争の終結後、ロシア軍事省はワシーリー・グルコ少将(1864-1937)を長とするチームを編成し公式戦史の編纂を命じた。
こうして生まれたのが、1910年に9巻16分冊で刊行された
Русско-японская война 1904-1905 гг. Работа
Военно-исторической
коммиссии по иписанию Русско-японской войны, СПб.: А.Ф. Маркц, 1910.
ですが、今回購入したセットは、上記戦史の編纂のためにロシア帝国軍の戦史部が収集した史料約11,000点がもとになっており、
ちょうど100年前に戦われたこの戦争に関するロシア側の原史料集成として重要性は大きいと言えます。
ついでながら、センターではこの他、同じロシア国家軍事史文書館の所蔵する内戦関係文書についても購入しました。
赤軍関係文書 The papers of the Red Army, 1918-1923 が全76リール、白軍関係文書 The papers
of the White Army, 1918-1921 が全71リールで、
発売元は同じく Primary Source Media 社です。
2003年12月から2004年3月までの4ヵ月間における、センターのホームページへのアクセス数(但し、gif・jpg等の画像形式ファイル を除く)を統計しました。
|
全アクセス数 (1日平均) |
うち、 邦語表紙 アクセス数 (1日平均) |
うち、 英語表紙 アクセス数 (1日平均) |
国内からの アクセス数(%) |
国外からの アクセス数(%) |
不明(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
12月 | 209,624 (6,762) | 10,023 (323) | 2,444 (79) | 68,265 (32.6%) | 106,158 (52.6%) | 35,201 (16.8%) |
1月 | 272,912 (8,804) | 11,031 (356) | 3,374 (109) | 92,707 (34%) | 133,013 (49%) | 47,192 (17%) |
2月 | 234,529 (8,087) | 9,792 (338) | 2,901 (100) | 77,279 (33%) | 114,531 (49%) | 42,719 (18%) |
3月 | 271,359 (8,754) | 11,296 (364) | 3,458 (112) | 82,118 (30.3%) | 136,734 (50.4%) | 52,507 (19.3%) |
21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」欧文シリーズ Slavic
Eurasian Studies, No.1
として露語論文集『ウラジーミル・プーチン現象とロシアのリージョン:勝利は唐突か、法則的か?』が発行されました。これは、
1990年代後半にロシア・リージョン政治学をリードした、ロシアの地方の政治学者たちが、エリツィン末期からプーチン初期にかけてのロシア政治体制の変
化を分析したものです。
すでに海外には頒布されていますが、近いうちに日本の主要図書館にも送られる予定です。
2003年7月に開催された夏期国際シンポジウム「スラブ・ユーラシア地域の世界経済・国際社会との統合
Slavic Eurasia's Integration into the World Economy and Community」
の英文報告集が、
21世紀COEプログラムの欧文シリーズ Slavic Eurasian Studies,
No.2
として2004年3月に刊行されました。編者はセンターの田畑と岩下です。シンポジウムで発表されたペーパーに基づいて執筆された16本の論文が収録さ
れています。なお、収録論文は、センターのホームページ上でも読むことができます。
ACTA SLAVICA IAPONICA Tomus 21(2004)が 3月に発行されました。掲載論文は以下のとおりです。また、次号Tomus 22 の投稿受付が3月末に締切られました。
Articles |
||
S.C.M. Paine |
Russo-Chinese Myths and Their Impact on
Japanese Foreign Policy in the 1930s |
|
UEGAKI Akira |
Russia as a Newcomer to the
International Financial Market, 1992-2000 |
|
САЙТО Такэси |
Поэтика изгнання в сборниках О. Мандельштама «Камень» и
«Tristia» |
|
МАЦУМУРА Такэси |
Дробление крестьянских хозяйств Правобережой Украины в
первой половине
XIX
в. и характер крестьянского землевладения |
|
Леонид Таймасов |
Нерусские монастыри Казанского края: ориентиры конфессионального обновления (вторая половина XIX века) | |
Дина Аманжолова |
Казахская автономия: от замысла националов к самоопределению по-советски | |
Владимир Ровдо |
Специфика и звилюция политического режима Республики Беларусь |
|
KUBO Keiichi |
Democratization and Inter-ethnic Relations in Multiethnic
Countries: A Comparative Analysis of Croatia and Macedonia |
|
Research Note |
||
КИМ Хён Ён |
Теория метатекста и Формы ее проявления в поэтике |
研究報告シリーズ第94号『現代文芸研究のフロンティア V 』が1月に発行されました。科学研究費基盤研究(B)-1 「転換期ロシアの文芸における時空間イメージの総合的研究」(2002-2004年度、研究代表:望月)の2003年度中間報告の一部で、 20世紀ロシア文芸の諸問題を論じています。お手元に届いていない方でご興味のある場合は、センター望月までご一報ください。
内容 |
|
ペッペ
ルシテイン『カーストの神話生成的愛』 |
岩本和久 |
ヴェネ
ディクト・エロフェーエフの戯曲『ワルプルギスの夜、あるいは総督の足音』 |
神岡理恵子 |
アンド
レイ・モナストゥイルスキイとコンセプチュアリズム |
鈴木正美 |
T.ト
ルスタヤ『クイシ』における神話化の機能と剥き出しのメタファー |
高柳聡子 |
フレー
ブニコフの『カー』とハルムスの『ラーパ』における時間概念の共通性 |
本田登 |
ワレー
リヤ・ナールビコワ『オコロ・エコロ…』三部作について |
前田しほ |
『山羊
の歌』における時空間の問題 |
八木君人 |
上昇す
る言葉 あるいは我々は今なお詩に値するのか?(断片的な覚書)[下] |
モーリス・ブランショ 訳:斉藤毅 |
21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」による研究報告シリーズの刊行が開始されました。 No.1 The Russian Far East Today: Regional Transformations under Globalization(荒 井信雄編)と No.2『ロシア外交の現在 I 』(岩 下明裕編)で、 いずれも科研費基盤研究(B)「ポスト冷戦時代のロシア・中国関係とそのアジア諸地域への影響」との共同成果です。 2003年後半から2004年初頭にかけてセンターで開催されたいくつかのセミナーのペーパーを中心に編集されています。内容は以下の通り。
第1号『ロシア極東の現在:グローバリゼーション下の地域変容』 |
|
T.
トロヤコワ E.ウィシュニク |
「統合
か解体か? アジア太平洋地域におけるロシア極東にとっての困難」(英語) |
B.
アフォニン |
「ロシ
ア極東の発展にための地政学的・経済的要因」(ロシア語) |
V.
コジェヴニコフ |
「議会
選挙直前の沿海地方における政治情勢」(ロシア語) |
荒
井信雄 |
「1990
年代の日露海産物貿易:そのプラスとマイナス」(ロシア語) |
第2号『ロシ
ア外交の現在 I 』(日本語) |
|
E.
バジャノフ |
「イラ
ク戦争後のロシア外交」 |
N.
バジャノワ |
「ロシ
アと朝鮮」 |
D.
クリフツォフ |
「『9.11
事件』以後のロシア外交:対イラク・北朝鮮・イランを手がかりに」 |
中
野潤三 |
「ロシ
アの国益と北朝鮮の核問題・体制変革」 |
伊
藤庄一 |
「プー
チン時代の中露関係:ロシア東部地域をめぐる2国間関係を中心に」 |
吉
田 修 |
「イン
ドと旧ソ連・ロシア:国際関係の連続性と相違」 |