ITP International Training Program



投稿先をまず研究せよ

杉浦史和

(帝京大学、第1期ITPフェロー、ジョージ・ワシントン大学に派遣中)


 今回のセミナーは、英文を書くことに対する筆者の意識を変革するのに大いに役立った。率直に言って、これまでの私の書き方は、とにかく闇雲に日本語を英語に直すことにだけ焦点を当てていたので、文体やジャンル、さらに最も重要な読みやすさといった要素をまったく考慮してこなかったと思う。論旨展開についても日本語と英語の違いを十分には配慮してこなかった。また、投稿先のジャーナルの持つ特徴に対しても、十分な調査をしていなかった。少し落ち着いて考えてみれば、これらの点は投稿する際にクリアすべき当たり前のことであるが、それができていなかった自分を大いに反省したところである。また、数多くの若いそして異分野の研究者と知り合えたことも刺激になった。それぞれ目指すジャーナルは異なるが、お互いに切磋琢磨する機会を得られたことは今後の研究活動にも大いに資すると考えている。


 北大のお二人の講師は非常に丁寧にお話してくださり、ともすれば関心を持てづらくなる他の人のペーパーへのコメントにも、主体的にかかわることができた。特に、参加者のペーパーの誤りを正すコーナーは興味深かった。また先輩日本人研究者のお話はいづれも具体的で大変ためになった。編集経験のあるゲストのお話は、まだ投稿経験が乏しいので咀嚼するのに時間がかかると思うが、非常に刺激的だった。


 自分自身のプランとしては、「ロシア企業の資本構成と企業統治の関係に関する考察」と題するペーパーを欧州比較経済学会(EACES)のモスクワ大会(2008年8月)において発表し、The European Journal of Comparative Economics に投稿したいと思う。



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