スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年夏号 No.114 index

研究の最前線


国境フォーラムII 「日本の国境地域について考える」が開かれる

6月28 日に科研基盤研究(A) 「ユーラシア秩序の新形成」の主催、 日本島嶼学会の後援により、大会 議室で国境フォーラムII「日本の 国境地域について考える」が開か れました。これは2007 年秋に、ス ラブ研究センターが日本島嶼学会 との共催により沖縄・与那国島で 開催した「国境フォーラム」(根室 市長・与那国町長などが報告)の 成果をもとに、国境問題に関心を よせる研究者間の議論を活性化さ せようとの意図で計画されたもの です。第1 部は日本各地の国境問 題についてのパネルディスカッション、第2 部はこの10 月に「返還40 周年記念事業」の一 つとして計画されている小笠原での国境フォーラムIII(根室・与那国・対馬の実務担当者が 出席予定)の準備もかねたセミナーをおこないました。40 名程度の参加者があり、自由で活 発な論議がおこなわれました。日本の国境問題を比較や連携の観点から議論する意義や与那 国でのフォーラムについては、『論座』12 月号(「『辺境』からみえる世界」:2007 年)などで 少し展開しておりますが、今回のフォーラムII の成功を踏まえ、『国境・誰がこの線を引い たのか』(北大出版会)のようなかたちでの出版も考えております。日本も含む国境問題研究 を今後とも積極的に推進していきます。なお、当日の報告は以下の通りです。

議論には地図が欠かせない
議論には地図が欠かせない

第1 部 10 時~ 12 時半  パネルディスカッション
山田吉彦(東海大)「日本の国境の現状」
古川浩司(中京大)「 国境自治体の挑戦」
黒岩幸子(岩手県立大)「千島と根室:定まらぬ国境に翻弄されて」
金成浩(琉球大)「 オキナワ・パブリック・デイプロマシー」
コメンテーター:大城肇(琉球大) 司会:岩下明裕(センター)
第2 部 14 時~ 15 時半  特別セミナー「返還40 周年:国境島嶼としての小笠原を考える」
佐藤由紀(早稲田大) 山上博信(愛知工大)
コメンテーター:長嶋俊介(鹿児島大) 司会:田村慶子(北九州市立大)

10 月の小笠原集会については、以下のリンクをご参考ください。

http://east-urawa.com/jsis/conference/Ogasawara2008.htm

[岩下]

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