日本ロシア・東欧研究連絡協議会
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中国スラブ学会のICCEES加盟、韓国スラブ学会とICCEESの関係正常化 松里公孝(SRC) 去る6月26~27日、2010年に国際中欧・東欧研究協議会(ICCEES)世界大会を予定するストックホルムで、ICCEESの執行委員会と評議会(議決機関)がおこなわれました。最大の課題は世界大会に向けた準備状況の点検でしたが、東アジアのスラブ研究者にとっては、 長年の間正常とはいえなかった韓国スラブ学会(KASS)とICCEESの関係が正常化されて久々に代表、パク・スーヒョン慶熙大学教授とシン・ボムシク・インチョン大学教授(当時)が出席し、しかもそこで中国スラブ学会(CAEERCAS)のICCEES加盟問題が話し合われるという意義深い会議でした(背景についてはセンターニュース第112号の松里の記事を参照)。 残念ながら、中国代表はヴィザ上の理由でストックホルムには来られませんでしたが、代表不在のもとでも加盟問題を話し合って欲しいという李静杰CAEERCAS会長の明確な意思表示を受けてこの問題が討議され、評議会は加盟を認めました。 私は言いたいことは事前に散々言ってあったので黙っていましたが、韓国代表のパク氏が、「中国の研究者は国の公式見解を繰り返すばかりで自分が思ったことは言わない」といった偏見に対して、自分自身の中国との協力経験を根拠に反論しました。私は、ジョン・エルスワースICCEES会長のスピーチに深い感銘を受けました。「ICCEESが、冷戦下で、欧州大西洋勢力が対立陣営を研究する目的で生まれたことは秘密ではない。冷戦が終わって世界が変わったのだから、ICCEESも遅かれ早かれ変わらざるを得ない。その意味で、中国の加盟は歴史的一歩である」。トマス・ブレマー副会長は、「必要な書類上の要件を満たして加盟を求めている国に、一体どういう理由で断れるのか。あんたたちは嘘つきだから入れないとでもいうのか」と正論を述べていました。中国スラブ学会は、来年のICCEES執行委員会を北京で開催するよう招待しているので、視察した上で、加盟問題を執行委員会に一任するという案も出されましたが、中国加盟のような重要案件を執行機関に一任するのは手続き上問題があるということで、今年、本来の議決権を持った評議会で決めてしまおうということになり、加盟承認に至ったものです。 さて、来年の北京でのICCEES執行委員会は、2004年に木村汎・前日本代表のもとで日本で開催されて以来のアジア開催となります。欧州の執行委員の中には、中国までの旅費を工面するのは大変だとこぼす人もありました。たしかにこれは深刻な問題ですが、アジアやオセアニアの国の代表は、そのような出費に毎年頭を悩ましているのだということも忘れないでいただきたいです。 前年からの懸案であった、2015年ICCEES世界大会の開催地問題は、リヨン(フランス)が辞退したため、グラスゴーが有力候補となりました。候補地のひとつである日本にとっては、スラブ研究者の層が薄いフランスが降り、それよりはるかに実力のあるスコットランドがライバルとなったことで、あまり嬉しい展開ではありません。たとえそうでも、ストックホルムに向けたパネル提案を旺盛におこなうべき時期であることには変わりありません。パネル提案は進行中(2009年2月28日締切)で、提案書は、 http://www.iccees.org/world_congress_8.htmからダウンロードできます。 「スラブ研究センターニュース」115号(2008/11)から転載 |
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