『東欧・中央ユーラシアの近代とネイション』
[研究代表者]
林 忠 行(49) | 北海道大学 スラブ研究センター 教 授 |
東欧政治史 | 法学 修士 |
研究全体の運営・調整 東中欧近代史分析 |
[研究分担者]
家田 修(46) | 北海道大学 スラブ研究センター 教 授 |
東欧経済史 | 経済学 博士 |
東中欧部門の運営・調整 ハンガリー王国領の民族問題の分析 |
宇山智彦(32) | 北海道大学 スラブ研究センター 助教授 |
中央アジア 近代史 |
修士 (学術) |
中央アジア部門の運営・調整 カザフスタン近代史分析 |
北川誠一(52) | 東北大学大学院 国際文化研究科 教 授 |
カフカース史 | 文学 修士 |
カフカース部門の運営・調整 カフカース近代史分析 |
佐原徹哉(36) | 東京都立大学 人文学部・助手 |
南東欧近代史 | 文学 修士 |
南東欧部門の運営・調整 南東欧近代史分析 |
篠原 琢(36) | 東京外国語大学 外国語学部・講師 |
東中欧近代史 | 文学 修士 |
東中欧部門の運営・調整 ボヘミア近代史分析 |
松里公孝(40) | 北海道大学 スラブ研究センター 教授 |
ロシア政治史 | 法学 博士 |
ロシア帝国西部部門調整 ウクライナ近代史分析 |
1) 本研究は、東欧および中央ユーラシアにおける近代とネイションをめぐる歴史と歴史意識を研究対象とする。ここでの「東欧」とはギリシアを含む南東欧(バルカン)、ハプスブルク帝国領、ロシア帝国西部地域(ポーランド、ウクライナ、バルト地域等)で構成され、「中央ユーラシア」は中央アジア、カフカース、ヴォルガ・ウラル地域、南シベリアなどからなる地域とする。これらの地域は、西欧、ロシア、イスラム世界が接触する多文化・多民族世界である。扱う時期は、18世紀末以降で、中央ユーラシアではソ連時代をも含める。
2) 当該地域の知識人がいかに「近代」を受容し、またその担い手としての「ネイション」を意識したのか、またこの地域でいかにエスノポリティクスが発生したのかを比較検討する。その場合、広い意味での文化史的アプローチも取り込む。ここで「ネイション」と暫定的に呼ぶものは、何らかの国家性をともなう「国民」だけでなく、エスニック・マイノリティーを含む多様な集団とする。
3) 上記の作業と並行して、各地域の史学史を比較検討し、各地域における歴史認識、特に民族史の記述や民族起源論の変遷および現在における歴史認識とナショナリズムとの関係を明らかにする。
4) これまで十分に行われてこなかったこれらの地域に関する文献・史料収集、および若手研究者の研究支援もあわせてプロジェクトの目的としたい。