2015年ICCEES世界大会は幕張で開催
7月29日にストックホルムで行われたICCEES評議会で、2015年の
ICCEES世界大会を千葉・幕張で行うことが、挙手採決の結果、満票で可決されました。すでにこの1年前、ICCEES執行委員会は幕張を候補地として
提案することを決めていましたが、評議員から対案は提出されず、むしろ、もともとは(グラスゴー開催を掲げて)ライバルだったBASEESの幕張支持発言
を受けて採決がなされるという、まるで共産党中央委員会総会のような美しい展開でした。
ストックホルム世界大会そのものも、5年前のベルリン大会での日本人のペーパー数が15本程度、韓国や中国からの参加皆無に近かったのが、日本人のペー
パー数が53本、韓国人・中国人が28本、そのほかインドから相当数の参加があるなど、ICCEESの様変わりを実感させる大会でした。東からの参加を増
やすため、スウェーデンの実行委員会が様々な特例(?)措置をとってくれたことも、ここで感謝をこめて明記しないわけにはいきません。
なお、評議会が開催された翌日の夜6時から、「『東からの視点』などあるのか?東アジ
アにおけるスラブ・ユーラシア研究」と題する全体セッションが行われました。これは大会組織委員会の求めに応じて松里が組織したもので、日本から宇山、田
畑、北京から劉文飛(ロシア文学会事務局長)、上海からフェン紹雷(華東師範大学国際関係地域研究学院長)、韓国・漢陽大学からリー・ムンヨンらのオール
スターが報告しました(池田嘉郎氏のエッセイ参
照)。ウプサラ大学のヘトランド教授をはじめ聴衆から非常に賞賛された企画でしたが、いかんせん金曜日の夜だったので聴衆の数自体は少なかったで
す。大会実行委員が「しまった。こんなにいい企画なら大会の最初にすればよかった」と言っていましたが後の祭り。いずれにせよ、アジアのスラブ・ユーラシ
ア研究の存在感を示す世界大会となりました。
なお、ストックホルム世界大会に先立つ7月9日、JCREES幹事会は、「ICCEES本部が主導すること、松里ICCEES日本代表が中心となって資金
面及びスタッフ人材面での責任を取ること」を条件として、幕張世界大会に対して「モラル・サポートを行い、各学会は内容面、特にパネルなどでサポートす
る」という決定を下しています。国内外の意思決定がなされましたので、幕張世界大会実行委員会の旗揚げ、HPの立ち上げなどを行う初期準備期間に入りまし
た。[松里]
<ITPメンバーの参加>
なお大会では長期派遣フェロー経験者6名を含むITPメンバー21名が研究発表を行いました。多くが個人発表のかたちでしたが、杉浦史和、左近幸村、高
橋沙奈美の3名はパネルも組織しました。ITPプログラム英語合宿での「原稿を読まない」発表スタイルの特訓や英語論文執筆講習会での勉強の効果もあった
ようです。国際学会で英語を使って発表することが若手研究者の間で根付いてきたことが感じられます。
[越野]
関連サイト:
ITPメンバーに
よるエッセー
2010
年ICCEESストック
ホルム大会の様子
2015
年ICCEES幕張大会のプロモーションビデオ
[研究
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