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現代中央アジア論
現代中央アジア論
[編著者]
 岩崎一郎
 宇山智彦
 小松久男

発行月:2004年8月
発行所:日本評論社
ISBN 4-535-55318-1
A5判、横組、301頁
(*岩崎氏の「崎」の字は「大」の部分が「立」であるのが正式なものです)

目  次










はしがき iii

地図・図表一覧 xvxvii

固有名詞の表記および用語について xix

中央アジア概略図 xx–xxi







総論 中央アジアの眺望:歴史と地域

 



(小松久男)

1.
はじめに

2.
テュルク化とイスラーム化


(1)自然環境と歴史


(2)テュルク化の進展


(3)イスラーム化の進展

3.
帝政ロシア治下の中央アジア 10


(1)カザフ草原の併合と変容  10


(2)南部オアシス地域の征服  12


(3)植民地トルキスタン 14

4.
ソ連のなかの中央アジア 16


(1)ロシア革命と内戦  16


(2)民族・共和国境界画定  17


(3)農業と工業の開発  19


(4)ペレストロイカから独立へ 21

5.
おわりに 23



参考文献 24







第 I 部

政治編 独立国家建設の試練 27







第1章

ソ連時代の共和国政治:共産党体制と民族エリートの成長





  (地田徹朗) 29

1.1
はじめに 29

1.2
ロシア革命とソビエト政権の成立 30

1.3
共産党一党制の確立とソ連邦の形成 31

1.4
民族・共和国境界画定とコレニザーツィヤ:国家枠組みの成立 33


1.4.1 民族・共和国境界画定
33


1.4.2 コレニザーツィヤ政策
34

1.5
スターリン時代:中央アジアにおける「上からの革命」  36

1.6
フルシチョフ時代:二転三転する改革と共和国の混乱
39

1.7
ブレジネフ時代:意図せざる独立への準備段階 40


1.7.1 ブレジネフ体制の特色
40


1.7.2 ブレジネフ時代の共和国政治と共産党エリート
42

1.8
ペレストロイカとソ連邦崩壊 46


1.8.1 ペレストロイカ初期における再集権化
46


1.8.2 政治・経済改革の実施と共和国の混乱・抵抗
47


1.8.3 おわりに
49



参考文献
50



コラム1.1 ●ブレジネフ時代党指導者の復権と市民の評価 45







第2章


政治制度と政治体制:大統領制と権威主義 





(宇山智彦)
53

2.1

はじめに 53

2.2

「共和国自決」と民主化の停滞 55



2.2.1  共和国指導部の正統性維持
55



2.2.2  国ごとの政治変動過程の違い
56

2.3

政治制度 58



2.3.1  憲法に基づく政治制度比較
58



2.3.2  大統領の超法規的権力
64



2.3.3  大統領制のもとでの議会・政党・政府
65

2.4

政治体制 67



2.4.1 
権威主義体制論から見た中央アジア
67



2.4.2  スルタニズム論とトルクメニスタン
69



2.4.3  党=国家型権威主義から大統領制権威主義へ
71

2.5

中央アジアにおける国家の強さと弱さ 73



2.5.1  国家と社会の関係
73



2.5.2  地域主義と地方政治
74

2.6

おわりに:グローバル化時代の権威主義体制 77



参考文献 78



コラム2.1 ●怪情報・裏情報 70





  
第3章


民族と政治:国家の「民族化」と変化する民族間関係





(岡奈津子) 81

3.1

はじめに 81

3.2

中央アジア諸国における「民族化」    83



3.2.1  歴史
84



3.2.2  言語
86



3.2.4  権力
92

3.3

少数民族と同族国家 93



3.3.1  ロシア人とウズベク人 — 中央アジア最大のディアスポラ
95



3.3.2
同族国家とのさまざまな関係  98

3.4

おわりに 99



参考文献 100



コラム3.1 ●国勢調査と言語 89



コラム3.2 ●指導者にみる中央アジアの多民族性  94





 
第4章
宗教と政治:イスラーム復興と世俗主義の調和を求めて





(帯谷知可)
103

4.1

はじめに — 中央アジアの宗教事情:多様性と世俗主義
103

4.2

国家とイスラーム 106



4.2.1
ソ連期から現代まで  106



4.2.2
ムスリム宗務管理局 110

4.3

イスラーム復興の諸相 112



4.3.1
草の根のイスラーム復興からイスラーム組織まで  112



4.3.2
独立期のイスラーム主義組織の政治化 115



4.3.3
イスラーム組織の「国際化」と「過激化」、そして暴力の連鎖へ 118

4.4

紛争のなかのイスラーム:タジキスタン内戦の教訓 121



4.4.1
タジキスタン内戦
121



4.4.2
内戦におけるイスラーム主義 121



4.4.3
「タジキスタン・イスラーム復興党」の政治参加 124

4.5

おわりに  125



参考文献  126



コラム4.1 ●ミーリ・アラブ・マドラサにて 111112



コラム4.2 ●あるイスラーム主義者の歩み  117—118







第5章
国際関係と安全保障:地域国際システムの形成と越境する脅威





(湯浅剛) 129

5.1

はじめに 129

5.2

国際関係の登場と国内制度の整備 131

5.3

ロシアの関与政策 134

5.4

中央アジア域内の国際関係 136



5.4.1
各国の政策規定要因 136



5.4.2
国境問題 139

5.5

ユーラシアのなかの中央アジア 141

5.6

9.11事件とイラク戦争がもたらしたもの 145

5.7

結語 147



参考文献 148



コラム5.1 ●地政学と中央アジア 142







第 II 部

経済編 計画から市場へ 153







第6章
ソ連時代の共和国経済:計画経済体制下の中央アジア地域開発





(中村泰三) 155

6.1

はじめに 155

6.2

マルクス、レーニンの画いた社会主義像 156

6.3

計画経済体制下の中央アジア地域開発 157



6.3.1
計画経済のはじまり
157



6.3.2
5ヵ年計画と経済発展 157



6.3.3
独ソ戦勃発からフルシチョフ時代まで 159



6.3.4
ブレジネフ時代の経済改革 161

6.4

中央アジアの産業発展と生産の特化 163



6.4.1
中央アジア地域および各国の産業特化
163



6.4.2 中央アジアの産業発展とその評価 165

6.5

ソ連の経済計画・管理システム
168



6.5.1
計画システム
168



6.5.2 経済管理機構
168



6.5.3 党と行政機関
170



6.5.4
計画実現過程にみられる問題点
170

6.6

ゴルバチョフの改革とソ連の崩壊
171

6.7

おわりに
173



参考文献
173



コラム6.1 ●中央アジアの高人口増をめぐって
167







第7章 市場経済移行とマクロ経済実績:分極化する経済システム





(岩崎一郎) 177

7.1

はじめに
177

7.2

計画経済から市場経済への移行
179

7.3

体制転換プロセスの進捗状況
182



7.3.1
経済自由化
184



7.3.2
企業改革 185



7.3.3
金融改革
186



7.3.4
経済システムの分極化
188

7.4
体制移行期のマクロ経済実績 190

7.5

おわりに 195



参考文献
198



コラム7.1 ●オルガルヒの台頭
197







第8章
 農業改革:市場システム形成の実際





(錦見浩司) 201

8.1
はじめに
201

8.2
中央アジアの農業 203

8.3
市場経済への移行
206



8.3.1 社会主義農業の問題点
206



8.3.2
市場経済への制度移行
208



8.3.3
移行過程における農業生産
213

8.4

生産リンケージ再生への模索 218



8.4.1 流通業者との複合的取引
220



8.4.2
農産企業への統合
221

8.5
おわりに
222



参考文献
223



コラム8.1 ●カザフスタンの個人農
219







第9章
 環境問題:「負の遺産」と市場経済化のはざまで





(片山博文)
227

9.1
はじめに
227

9.2

中央アジア諸国における環境問題の現状
228



9.2.1
中央アジア諸国の環境リスク
228



9.2.2
移行経済の環境負荷
232

9.3


移行期中央アジアの環境政策 234



9.3.1
移行期における環境保全の制度構築
234



9.3.2
移行経済と環境ファイナンス
236

9.4

アラル海問題と地域協力の行方
241



9.4.1
灌漑開発の歴史と国家間対立の構図
241



9.4.2
地域協力の試みとその問題点
245



9.4.3
アラル海再生の展望 248



参考文献
250



コラム9.1 ●NGOが阻止したカザフスタンの放射性廃棄物輸入計画
242







第10章  世界経済への統合:扉を開く天然資源





(輪島実樹)
253

10.1

はじめに 253

10.2
貿易構造の変化
254



10.2.1
輸出は CIS 外、輸入は CIS 内
254



10.2.2
貿易相手国転換のしくみ
256



10.2.3
単純化する品目構造 259

10.3

石油・ガスに集中する外国投資 263

10.4

カスピ海資源開発 265



10.4.1 カスピ海資源の量的評価
265



10.4.2 焦点となる輸送問題
269



10.4.3
地政学的論議の終焉とカスピ海資源輸送の将来
274

10.5

おわりに
276



参考文献
276



コラム10.1 ●中央アジア各国の外貨両替事情
266














推薦文献
279
通史・概説・研究動向 279
政治・政治史
279
経済
281
環境
282
事典
283
雑誌 283







インターネット
情報検索リスト

285
日本語サイト 285
外国語サイト
286







年表

287







索引
295







執筆者紹介
305

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