サハリン大陸棚 石油・ガス開発と環境保全

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村上 隆



目   次


まえがき

I サハリン大陸棚の開発
第1章サハリン大陸棚の石油・天然ガス開発   村上隆 3
はじめに 3 
1.旧ソ連における海洋石油開発の発端   3
2.サハリン沖での石油開発に対する旧ソ連の対日アプローチ   4
3.サハリン〜Iプロジェクトの概要   5
3.1設立の経緯と2001年までの開発状況   5
3.2サハリン〜Iの概要   10
4.サハリン〜IIプロジェクトの概要 14
4.1設立の経緯  14
4.2事業推進体  15
4.3開発対象鉱区と埋蔵量,性状  16
4.4開発の推移と計画   17
4.5投資額と開発計画   19
5.その他のサハリンプロジェクトの状況  20
5.1サハリン〜V    20
5.2サハリン〜W    21
5.3サハリン〜V     22
5.4サハリン〜Y    22
6.生産物分与法(PS法)の採用  23
6.1PS法成立のプロセス   23
6.2PS法の問題点   24
7.サハリンプロジェクトの開発の利点   27
7.1北東アジアの重要なエネルギー供給源  27
7.2開発による直接収入  28
7.3雇用・経済効果   29
7.4北東アジアパイプライン網形成の契機  29
7.5エネルギーの安全保障貢献  30
8.サハリンプロジェクトの問題点 30
8.1天然ガス需要家不在  30
8.2開発・輸送コスト高  30
8.3制度面の不安定さと複雑な手続き  31
8.4信頼関係の欠如  31
8.5環境問題   32

第2章サハリン大陸棚開発と水産資源利用者の立場 荒井信雄 41
はじめに   41
1.ロシアにおける水産資源の管理・利用システム  42
1.1旧ソ連期の水産資源管理・利用システム  42
1.2ソ連邦崩壊後の市場経済改革と資源利用システムの変化  44
1.3ロシア連邦地下資源法に見る資源管理の原則  45
1.4森林資源の利用  46
1.5その他の自然資源の利用に関する法制度の整備  46
1.6水産資源利用システムの特徴  46
2.現行の水産資源配分システムのもとでの漁業企業の行動 48
2.1極東水域漁業企業の私有化過程の特徴点  48
2.2資源配分システムの改革と企業行動の変化  49
2.3大陸棚開発プロジェクトと水産資源利用者  50

U.油防除体制
第3章ノルウェーにおける大陸棚開発開運の危機管理体制 皆川修吾 55
はじめに   55
1.危機管理システムの必要性  55
2.環境・開発行政機構 56
3.汚染事故管理体制 57
4.国際協力  59
5.汚染防除対策・対応の公共性 60
6.結論  61

第4章アラスカ,英国における石油流出に関する危機管理体制  村上隆 67
はじめに  67
1.危機管理体制の法的基盤  67
2.緊急時対応計画の計画化 68
2.1国家緊急時対応計画    69
2.2地域緊急時対応計画    69
2.3地区緊急時対応計画    70
3.指揮系統 71
4.ESIマップの作成 73
5.分散剤(油処理剤)の使用 73
6.地域住民の参加 74
7.国際協力  76

第5章ロシアと日本における石油流出に関する危機管理体制 皆川修吾・村上隆 78
はじめに  78
1.ロシア  78
1.1危機管理体制の法的基盤   78
1.2緊急時対応計画の計画化   83
1.3指揮系統    84
1.4想定される流出油の評価    88
1.5分散剤(油処理剤)の便用    90
1.6地域住民の参加   91
1.7国際協力    91
2.日本   93
2.1危機管理体制の法的基盤   93
2.2緊急時対応計画の計画化   93
2.3指揮系統   96
2.4分散剤(油処理剤)の使用   97
2.5地域住民の参加   99
おわりに  99


第6章海岸地域の管理と環境保全−−日米の比較から 畠山武道 103
はじめに 103
1.日本の海岸法制の現状 103
1.1日本の海岸法制 103
1.2海岸法の現状と問題 104
1.3日本の海岸管理法制の課題 106
2.アメリカ合衆国の海岸と土地利用規制の特徴 107
2.1世界一長い海岸線と利用の集中 107
2.2海岸における土地利用規制の沿革  107
2.3州と連邦との関係の変化  108
2.4沿岸域に適用される連邦法の概要  108
3.沿岸域管理法(CZMA)の制定 109
3.1沿岸域管理法の制定  109
3.2CZMAの立法目的 109
3.3管理計画の承認  110
3.4補助金交付の要件 111
3.5行政機関相互の協議・調整 112
3.6土地および水利用規制手法の指定 112
3.7州と連邦の意見不一致の場合の手続き  113
3.8達成度審査(312条)  113
4.適合審査を巡る州と連邦の確執 113
4.1適合審査の対象・手続き 113
4.2適合審査の要件  114
4.3不服申立手続き 114
4.4沖合大陸棚油田開発と適合審査を巡る紛争 115
5.面源汚染規制プログラム 116
5.1面源汚染の規制 116
5.2プログラムの作成と承認 116
5.3プログラムの実績と評価 116
6.CZMAの実績 117
6.1連邦プログラムヘの参加 117
6.2再授権問題と予算措置 117
6.3今後の課題 18

V 油汚染の影響と補償
第7章界面活性剤(ノニルフェノールエトキシレート)が沿岸底生二枚貝に与える影響  中尾繁 123
はじめに    123
1.材料および方法 123
1.1実験材料 123
1.2パブロバPavlova spp.の培養法 123
1.3実験方法  124
2.結果 125
2.1ホタテガイの致死実験   125
2.2ホタテガイの濾過速度実験  126
2.3ホッキガイの致死実験   126
2.4ホッキガイの濾過速度実験  127
3.考察   127


第8章 油濁汚染による損害の賠償補償問題−−ナホトカ号事故を事例として   吉田文和 129
はじめに  129
1.現行の油濁損害賠償制度 129
2.ナホトカ号事故への条約の適用 130
3.損害賠償・補償の範囲についての基準 131
3.1財産損害・防止措置費用 131
3.2間接損失と納経済的損失 131
3.3環境損害 132
4.ナホトカ号事故による被害の全容  132
4.1使用価値レベルの被害 132
4.2交換価値レベルの被害 133
5.国際基金による対応  134
6.まとめ  135


W流氷の勢力の変化と氷海
第9章流氷と地球環境  青田昌秋 141
はじめに   141
1.流氷と海氷  141
2.世界の海氷分布 141
3.オホーツク海の流氷 142
3.1オホーツク海流氷分布の季節変動 143
3.2オホーツク海のなぞ 143
4.流氷と地球環境のかかわり 145
4.1きわどい存在の星−地球    145
4.2水と大気で包まれた星−地球   146
4.3大気の大循環と流氷   146
5.海洋の大循環と流氷 147
6.流氷と海洋生物環境 149
7.流氷の功罪一流氷と浜の人々の暮らし 149
7.1流氷は厄介もの 149
7.2流氷の恩恵 150
8.流氷勢力の減少−自然からの警告   151
9.オホーツク海を守ろう  152
9.1オホーツク海西部海域の漂流   152
9.2オホーツク海の油汚染   152
9.3アムール川での悪夢   153
おわりに 153

第10軍オホーツク海・北海道沿岸域における流氷勢力の減少傾向(1892〜2000年)  青田昌秋 154
はじめに  154
1.観測域および資料   154
2.流氷勢力の定義   155
3.1892〜1929年の流氷勢力の算出 155
4.網走の流氷勢力および気温の代表性について 155
5.網走における過去110年間の気温と流氷勢力の年々変動 156
6.平均気温と流氷勢力の関係 156
7.網走における流氷勢力と平均気温の長期変動 157
8.海水温降下と氷厚についての理論的考察 157
8.1水温降下と結氷開始時の推定 157
8.2温暖化による結氷初日の変化 158
8.3温暖化にともなう結氷初日の変化 159
おわりに    160

第11章タンカーの氷海運航上の技術的問題  北川弘光 161
はじめに   161
1.タンカー  161
1.1タンカーの種別 167
1.2タンカーの構造形式 162
1.3溶接欠陥と腐食  162
2.航行上の問題  163
2.1大型船としてのタンカー 163
2.2氷荷重と着氷 164
3.ポーラー・コードとアイス・クラス 165
4.油流出をもたらす作業 166
5.ポートステートコントロール(PSC) 166
6.運航量の増加と人為的ミス 167
おわりに 167

V  流出油の対応準備
第12章地理情報システムによるサハリンの地域環境分析 山村悦夫 171
はじめに  171
1.モデル規範適応理論  171
2.地理情報システムと衛星測位システム 176
2.1行政の情報化  176
2.2行政のシステム化 177
2.3基本地図の構築と更新 179
2.4地籍管理関連業務 181
2.5GISに基づく北海道とサハリンの連係 183
3.サハリン島の環境と開発の分析 184
4.結論  187

第13章流出油の漂流軌跡の想定と回収方法  佐伯浩・大塚夏彦 189
はじめに  189
1.海面に流出した原油 189
1.1原油の性質 189
1.2流出原油の拡がりと風化 189
1.3流氷海域に流出した原油 190
2.流出原油の漂流軌跡の想定 191
2.1原油流出事故の可能性 191
2.2流出事故のシナリオ想定 193
2.3流出原油の漂流予測 195
3.想定事故による被害の検討 197
3.1原油流出事故による水産被害 197
3.2想定事故における汚染防除 198
4.流出油の回収技術 199
4.1流出原油の回収方法 199
4.2氷海申に流出した原油の回収 200
5.まとめ 203

第14章環境脱離指標地図(・S1マップ)をどのように作るか  濱田誠一 205
はじめに 205
1.NOAAのESIマップ  205
1.1Shore1inehabitats(海岸形態情報)   207
1.2SensitivebioIogica1resources(生物資源一情報)   211
1.3Human-usefeatures(社会施設1青報)   214
2.ナホトカ号事故に見られた海岸形態の影響   214
2.1回収作業と海岸形態   215
2.2自然残留特性と海岸形態   218
3.ESIマップの整備に向けた情報収集状況   224
3.1既存情報   224
3.2北海道立地質研究所の調査内容   225
4.ESIマップの試作内容   226
4.1北海道域ESIマップの試作図   227
4.2データシート   230
おわりに   231

Y  開発がもたらす祉会的影響
第15章移行社会における環境意識−サハリン沖石油・ガス開発に関する市民の意識調査
                                                                                       赤羽恒雄・Anna Vassilieva   235
はじめに 235
1.1998年調査 236
1.1職業 236
1.2教育レベル 236
1.3年齢 236
1.4サハリン石油・ガス開発のもたらす影響    236
1.5市民組織への参加   245
1.6調査結果    247
2.2000年4〜5月調査 248
2.1回答者のプロフィール     248
2.2サハリン市民への恩恵    249
2.3サハリン市民に対する害    249
2.4個人的恩恵    250
2.5個人的害     250
2.6国際関係の恩恵     251
2.7国際関係のもたらす害    251
2.8環境問題への見方の変化   252
2.9ロシア連邦議会下院選挙    252
2.10大統領選挙       253
2.11市民組織活動    254
3.結論   254

第16章石油・天然ガス開発の原住民に及ぼす影響 井上紘一 258
はじめに   258
1.サハリン・エコウオッチのリシーツイン事務局長  260
2.アボリゲン・サハリナ社のクルマングジノヴァ総支配人 268
3.サハリン州原住民協議会のリマンゾ会長 272
4.国営小企業ワールのポリソフ社長 277
5.ニヴフ民族の作家サンギ  284
6.牧夫リーダーのマカロフ   291


資料
資料1     ロシア連邦の生産物分与法について  311
資料2-1  生産物分与修正法について 320
資料2-2  生産物分与協定(PSA)の準備および実施に関与する連邦機関 324
資料3     ロシア連邦の大陸棚法について〔抜粋〕 327
資料4     ロシア連邦の地下資源法について〔抜粋〕 343
資料5     ロシア連邦の水法典〔抜粋〕 356
資料6     石油・石油製品の事故による流出の防止と除去に関する緊急対策についてのロシア連邦政府決定 367
資料7     石油・石油製品の事故による流出の防止と除去に関する計画作成にあたっての基本的な必要条件 368
資料8     ロシア連邦の海洋汚染の通知手続きに関する指令  371
資料9     ロシア連邦の環境保護法について 380
資料10    ロシア連邦の環境監査について〔抜粋〕 384
資料11    サハリン州内の流出油防除に関する臨時規則 392


あとがき   415
索引    417

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